ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

必殺ピアノ練習方法 

 

絶対に誰もこんな練習はしていないだろうな・・・と思う。でも個人的には絶大なる効果が期待できる練習方法だとは思っている。

自分で気に入った偉大な歌手(優れた…程度ではダメ)の演奏を聴き、その歌手になった気分でピアノパートを弾くという練習。もちろん、声楽の演奏会に出演するわけではないので、発声などはどうでもいいのだ。鼻唄程度、いや、鼻唄にもならない程度の歌い方。歌詞だって適当だ。ドイツ歌曲だったら「なんちゃってドイツ語」で歌う。「ア~」とか「ラ~」のように歌詞なしで歌うよりは、気分が出る・・・くらいの感じでいいのだ。

僕は、この練習をするときにはドイツ歌曲を歌うことが多い。やはり朗々と響き渡るイタリア~ンな歌よりは、ピアノと歌との結びつきの濃いドイツ歌曲の方が練習しやすいのだと思う。

歌曲のピアノパート、メカニカルに至難な曲もあるけれど、そのような曲は選ばない。割と、音型としてはシンプルな曲で惚れた曲を選ぶ。ピアノパートが和音の連続だけだったり、分散和音の連続だけだったりとか、そのような歌曲。

留意すべきことは、気に入った歌唱と同じ調の楽譜で練習すること。声楽の楽譜(歌曲の場合だが)は高声用・中声用・低声用とあるので。調が異なると雰囲気も異なる。

歌手になったつもりで、なりきって歌いながらピアノパートを弾く練習。別にピアノパート、間違えたりしてもいいのだ。楽譜通りに弾くことが目的ではないのだから。ただし、歌手の繊細な表現に合わせるように弾いていく。

歌手の演奏を聴く時にピアノパート、つまりピアニストの演奏はあまり参考にしない。実際に音を鳴らして練習する時も、ピアニストは追わない。あくまでも追うのは歌手の表現。その表現に合わせるように弾くこと。

おそらく、その練習を誰かが聴いたとしたら、びっくり仰天するだろうが、自分の世界に入り込むのが、この練習方法のコツなのだと思う。

現在、僕が、この必殺練習法で弾いているのがヴォルフの「語らぬ愛」という歌曲。ピアノパートはメカニカルには困難ではない。僕はレオ・スレザークという昔の歌手の音源を何度も聴き、彼の歌唱を追いながら「なんちゃってヴォルフ」を弾いている。

レオ・スレザークなんて、声楽専攻の音大生だって知らないのかもしれない。でも、これほどコントロール力があり、繊細さのある歌手が現在いるとも思えないほどだ。

偉大な歌手を追う・・・というところが、この練習方法の特色なのだと思う。彼のような表現をピアノでも表現しようとしてみる。むろん、無理・・・なのだが、どうしてもピアノ曲だけを練習していると、「弾きこなす」という手段が目的になりがちなのだ。だから歌曲のピアノパートを弾く。歌手を追いながらね・・・

ちなみに、ヴォルフという作曲家は晩年(といっても42年の生涯だが)は精神を病み、狂気の中で生きた人だ。自殺未遂をし、最後は狂い死にをした人だ。だからこそ、このような歌を生み出せた・・・などとも練習しながら感じたりもする。

僕は、スレザークを追い、ヴォルフを弾く。ピアノ曲が弾けるようになるためにね。

まぁ、結局、歌が好きなんだよね・・・そう思う。

kaz




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コメント

 

斬新!!
憧れの演奏家から直接音楽のツボをコピーのこっそり必殺方ですね。
それは有益な教えが沢山見つかりそうですね。うまい(非常に高度なテクニックを駆使している方に「うまい」の一言は軽いかな)声楽家の演奏を聴くと、一番純粋に音の造り方が判るということ、本当だと思います。

ただ心酔している声楽家をもっている、という幸せなピアノ弾きはなかなかいないかもしれませんね。そういう対象がない場合、必殺練習方までの道のりが遠く感じるかもしれませんね。
この斬新必殺練習方法を広くピアノ弾きに応用するとすれば、大好きなピアニストを大好きたらしめている要素がなんであるか、を掴むため、体感するために、こんな方法で練習してみる、とか。

例えば、ある曲目(例えばショパンのバラード第1番)の冒頭の部分など限られた部分を、まず、大好きなピアニストと同じような雰囲気で弾けるまで何度も練習して身体に染みこませてみる。次に、他のピアニストたちの演奏を聴いてみる(あるいは同じように耳コピして弾いてみる)。
すると、大好きなピアニストがなにをもって他のピアニストと違うのか、体感できるのじゃないかしら。やったこと無いケド。

そうやって偉大な演奏家を偉大たらしめている「何か」とか、演奏のコツというかツボというものを識ることはできるかもしれませんね。それを真似るかどうかは別として、いろいろ判ることがあるでしょう。
慣れてきたら偉大な演奏家の演奏聴くだけでもいろいろ気づけるようになると思います。

kazさんの必殺練習方法とはズレちゃうかな?同じ要素あるかな?

yuko #- | URL | 2014/11/05 07:18 | edit

yukoさま

この必殺練習方法ですが、「練習」と自分で意識する以前から、「遊び」「楽しみ」としてピアノを再開した頃より行っていたことです。

最初は、ピアノのパートを楽譜通りに弾いていたわけですが、徐々に歌のパートを弾きつつ、伴奏の部分をも弾くようになりました。3段譜を2段譜に直しながら弾いていたわけです。厳密には「編曲」ということになるのかもしれませんが、そんなに大袈裟な意識は持たずに今もそのような練習をしています。

ピアニストを追う・・・ということも「練習」として可能なのではないかと思います。

重要なのは、「理想のサウンド」というものを追いつつ練習するという意識なのかもしれません。白紙の状態から、ただ音を積み上げていって「弾けるようになったから表現を考えましょう、つけましょう」ではなく・・・

kaz #- | URL | 2014/11/06 03:44 | edit

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