ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

教師のスタンスと生徒のニーズ 

 

ピアノ教師には大雑把に分類して3つのタイプがあると思う。一つは、生徒の現在、今のニーズというものを重視するタイプ。「音楽なんか嫌い」「ピアノ・・・嫌い」という生徒の「今」を直視し、なんとか音楽の楽しさを感じてもらい、ピアノを弾くということがプレジャーになって欲しいと願う。どちらかというと、発表会なんかも盛りだくさんで、指導案なども熟考するタイプ。「興味を引き出して・・・」というスタンスなのかな?

もう一つのタイプは、演奏というものに自ら惹かれ、自らが演奏せずにはいられないタイプの先生。けっして「コンサーティスト」とはカテゴライズされなくても、自分が受け取ってきた感動を「伝えたい」というタイプ。目の前の生徒の「今の笑顔」も大切だけど、将来自分の生徒がどのようにピアノというものと関わっていくかという未来視点でレッスンを考えていくタイプ。「伝えたい」ということが根底にあるので、どこか「伝統の伝承」というものを考えている・・・

どちらかというと、世のカリスマ教師は前者が多いように感じる。今のピアノ教育の主流というか、引っ張っているのは前者のタイプの教師なのではないかと思う。個人的には、僕は後者の教師に惹かれる。まぁ、僕の文章を読めばそれは理解できるだろうけれど。なんとなく、100人近い生徒がいて、セミナー講師としてカリスマとして活躍していて・・・という教師に関しては、そこに眩しさを感じるというよりは、「この先生は自分の演奏を磨いているのだろうか?」「いつ練習しているのだろう?」「自分が追及している曲ってあるのかな?だとしたら、いつ人前でそれを発表(演奏)するのだろう?」などと素朴な疑問を持ってしまう。

どちらのタイプがどう・・というのではないのかもしれない。重要なのは、教師のスタンスと生徒のニーズが一致しているということだと思う。ここがかみ合わないと両者にとって不幸なのではないかと思う。特に生徒にとっていいことはないだろうと思う。

ピアノ教師には、もう一つのタイプが存在する。それは「ダメ出しオンリータイプ」「赤ペン必携タイプ」の教師だ。このような教師は少数派なのだろうか?

「自宅でピアノ教師をしています・・・」と言って、「まぁ・・・大変なんですね」とか「素晴らしい仕事ですよね」という世の中の一般的な反応が返ってくるというよりは、「まぁ・・・優雅な仕事でいいですね」という反応が一般の感覚なのではないかと僕は思う。たとえば、看護師などと比較すれば「優雅度」は大きく思われているはずだ。

これは世の中一般の誤解というべきなのだろう。でも誤解を生む原因が「ダメ出しオンリー」「赤ペン必携タイプ」の教師の存在だろうと実は思う。「そこはドレファじゃなくてドレミよ!」「そこはフォルテだからもっと大きく!」「そこはメロディーが聴こえないわ。伴奏とのバランスを考えて!」なんて、僕だって言える・・・と思うもん。

「モーツァルトらしくないのよね!」なんて僕だって言える。どこをどうすれば「モーツァルトらしくなる」のか整然と伝えられて初めて「教師」となるのではあるまいか?モーツァルトとハイドンとの演奏法の違いを素人にも理解しやすく伝承できる技量、これがあってこその教師だろうと思う。

「ダメ出しオンリー」教師は別として、どちらのタイプの教師像が本物だと議論することそのものが間違いなのだろう。重要なのは生徒とのニーズが合っているか・・・ということ。合っていなければ生徒は辞めるだろうから。

ただ、現実的にはピアノを習っているのは圧倒的に子どもが多いのだと思う。子どもには将来がある。つまり、「今現在のニーズ」というものが変化することもあるのだ。この変化は「今の笑顔」から「音楽に目覚めてしまう」という変化の方が圧倒的に多いのだろうと思う。逆パターンはあまりないんじゃないかな?

今現在のニーズが合っているか・・・だけではなく、将来、その生徒の10年後、20年後に対しての責任もピアノ教師は、ある意味背負っていることになるのだと思う。

ニーズの変化、それは生徒がピアノを習っている期間ではないこともある。ピアノなんか弾かなくなってから音楽やピアノに目覚めることもあるのだ。その時、「なにをその生徒が習ってきたか」「どのように弾けてきたのか」ということが重要だろうと思う。

ピアノ教師は生徒の未来に対しても責任がある・・・

kaz

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コメント

 

ことはそう単純ではないのです

うちの子たちを見ていても(私は10代と小学生の子どもの親ですが)今のの子たちは、いろいろと刺激的で興味をそそることが多いから、じっくり取り組むことで面白さがわかるピアノなどを続けるのは大変だろうなと思います。

自分から練習しない子でもピアノが嫌いなわけではないです、実は。
優先順位が決められない子だったりします。

行事を多くするのは、人と人とのつながりが希薄になってしまいがちなこの時代に、せめて「同じ教室に所属している」ということで、仲間がいると、励みにしてほしいなという気持ちもあります。

私自身の指導スタイルは実は、後者なのですが、やっていることは前者というミックスタイプでして、こういう先生も実は少しずつ増えてきています。

最初は、「教えるのに、自分が弾けないのでは・・・」という危機感からかもしれません。また、教える仕事の方が不本意にやってきた、私のようなタイプの方かもしれません。
でも、真剣に取り組む中で、自分の経験したことを少しでも、伝えたい。
そう考えている先生は少なくないです。


kazさんの知らないところで、ピアノ教師、実は進化してるかもしれませんよ。(でも、ダメ出し赤ペン教師は、同業者としても、いらない、と思いますけど)

ことなりままっち #QFk3YRjk | URL | 2014/08/16 17:56 | edit

ことなりままっちさま

全国ピアノ教室訪問の旅・・・をしているわけではないので、判断材料としては、ピアノ教師から頂くメールの内容、ブログなどしかないわけです。実際に多くのピアノの発表会も何度も聴かせてもらいましたが、正直な感想は、演奏の出来映えということとは関係なく、「この生徒たちはピアノを辞めたら弾けなくなってしまうんだろうな・・・」ということでした。

もちろん、色々な教師がいるということは理解しています。ただ、僕が接してきたピアノ教師、現在メールで接するピアノ教師、実際の生徒たちのピアノ、このあたりしか判断材料は僕の場合はありません。そこからの発想なので、どうしても批判的にはなってしまいますね。

kaz #- | URL | 2014/08/18 08:57 | edit

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