ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

久々のフィギュアスケート 

 

演奏を聴く時、現代の話題のフレッシュ組を聴くよりは、僕には往年の古い録音を好む傾向がある。フィギュアスケートの演技も同じだ。世間では人気選手の動向が注目されていても、ネットで70年代や80年代の選手の演技を、ウットリと眺めていたりする。

最近のフィギュア競技会のテレビ放送は騒がしいというか、せいぜい最終グループしか紹介しないというところもテレビ観戦から離れてしまった理由だ。優勝争いに加わらない選手の演技も観たいという気持ちがある。その点、昨日の全日本の女子シングルは、とても良かった。

なぜテレビ観戦から離れてしまったのだろう?おそらく採点システムが変わり(随分昔のことだが)、最も好きなアイスダンスの演技が、なんだか変わってしまったことが理由。もう一つの理由は、僕は韓国のユナ・キム選手の演技に惹かれていたこと。

バンクーバーオリンピックの頃、「ユナ・キムが好き」などとは言えない雰囲気が日本にはあった。浅田選手とキム選手のファンがネットで中傷合戦のようなものを書いたりもしていて、そんな雰囲気もイヤだった。

今回、久々に全日本選手権(女子シングル)の放送を観て、思ったこと。

振付師の存在が大きいなぁ・・・ということ。振付師で印象に残ったのが、ジェフリー・バトル、そして佐藤有香。若い選手の長所を引き出していたのではないだろうか?選手の幼さではなく、少女しか持てないような純真さを表現していた。

もう一つが浅田選手。全盛期を過ぎた・・・みたいな書き方をされることもあるらしいが、僕は逆に進化しているのではないかと感じた。バンクーバーの頃、たしか浅田選手はルッツとサルコウを回避していたと記憶している。ルッツはエッジエラーを恐れたのかもしれない。ジュニア時代から、個人的には彼女のルッツは気になっていた。「これ、ルッツじゃないよね」と。

コーチを佐藤信夫コーチに変えて、基礎技術のすべてをやり直したのではないだろうか?今回、アウトサイドを保ったまま彼女がルッツを跳んだ時、僕の体に戦慄が走ったね。サルコウ、むろん転倒はしないほうがよかったのだろうが、回避せずにプログラムに取り入れ、ダブルにせず跳んだ。この時も戦慄が走った。転倒に感動するなんて変だろうか?

「基礎からやり直しましょうね」エッジの癖を修正する、つまりそういうことだ。難曲もサラリと弾ける、コンクールで賞も総なめ、そのような人が「その弾き方、全部直しましょう・・・」かなり辛いことではないだろうか?それを浅田選手は、やった。なので僕はバンクーバーの頃よりも進化していると思うのだ。世界女王まで登りつめた人が「基礎からやり直しましょうね」をやって、実践してみせたのだ。

体幹、手先、腕の動かし方が素晴らしい、それも浅田選手の素晴らしさのように感じた。若手が台頭してくる、そして3L-3Tなどのジャンプを軽々とこなす、採点競技だから、3Aを失敗してしまうと、浅田選手は辛いところもあるだろうが、表現として素晴らしかったのではないだろうか。時に、若い選手の動きは、「このように振り付けされているから、そのように動かしています」のような残念な感じの印象を持ってしまうこともある。でも浅田選手はすべての動きが表現となっていた・・・

おそらく、上位に入った若い選手たち、浅田選手に対して「どうしてあんな風に滑ることができるのだろう?」と尊敬の念を抱いているのではないだろうか?

全日本観戦の後、ネットで偶然に見つけたのが、同日行われたロシア選手権のネット配信。「ロシアはレベルが高い」というのが正直な感想だ。日本女子も相当なレベルだが、ロシアは今、凄いことになっているのではないだろうか?なんとなく、ピアノ演奏と共通のものを感じてしまった。日本の弱点、課題というか?

それぞれのエレメンツは素晴らしい。ジャンプやスピン、そこだけ取り出してみれば素晴らしい。でも、全体印象として、日本の選手は、時に「体幹が棒」「手や腕が棒」のような残念感がある。ピアノもそうなんだよね。3Dではなく、どこか平面的。スケートとピアノ、なんだか共通したものを感じてしまった。

ロシア選手権、優勝したのは、もちろん世界女王であるメドヴェーデワ選手、いつもながらの出来栄えだが、今回3S-3T-3Tを披露している。最後のジャンプは、おそらく点数としてはノーカウントだと思う。彼女はザヤック違反みたいな計算ミスをするような選手ではないと思うし、昨日もノーミスの演技だったので、おそらく「余裕があるので点数には関係ないけど跳んじゃった」みたいなことだったのでは?見せつけ???

最も印象深かったのは、2位になったアリーナ・ザキトワ選手。まだ14歳ということだ。ジュニア???

なかなかジャンプを跳ばないんだよね。ジャンプはプログラムの後半に組み入れている。その方が点数が高いから。高難度のジャンプ、手を上げて跳んでいる。いわゆるリッポン式。メドヴェーデワ選手などもそうだが、より凄みを感じさせる跳び方だ。

でも、体幹や手、腕の使い方が日本の選手と違う。そこが最も違う。

久々にフィギュアスケートを観た夜。久々にフィギュアスケートとピアノ演奏とを結びつけた夜・・・

kaz




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男子なのに踊っている! 

 

フィギュアスケートの競技会、もし男子シングルで、このようなルールのある競技会が行われたらどうなるだろうと・・・

「フリーでのジャンプの規制について。ジャンプは2Aが3回まで、3回転ジャンプは一種類、一回まで。4回転ジャンプや3Aは禁止」

現在、本物の(?)競技会での上位常連の選手たち、この競技会でも上位になるだろうか?つまりジャンプ以外のエレメンツで評価される割合が大きくなる競技会で、同じような順位になるだろうか?個人的には、なるだろう・・・などと想像する。

4回転の種類を競うような今の時代、もし現代の選手の演技に見慣れているファンが、30年前、40年前の名選手の演技を観たら、どう感じるだろう?「なんだ、4回転なんて跳んでないじゃない」と思うだけだろうか?そのあたりは分らない。そのように感じる人も、もしかしたらいるのかもしれない。

100年前の往年の巨匠ピアニストの、遠くから聴こえてくるような古い録音をウットリと聴きいる・・・なんて特殊な趣味なのだろうか?同じように40年前のスケート選手の演技をウットリと見入ってしまうというのも特殊な趣味なのだろうか?

長光歌子というコーチがいる。たしか、高橋大輔選手のコーチだった人と記憶している。もちろん、長光コーチも、元は選手だった。彼女のインタビュー記事を読んでいて、とても興味深かったことがある。現役を引退し、初めて観戦した国際大会が、札幌のオリンピックだったというのだ。つまり、現役時代には国際大会を観たことがない?時代というものを考えると、そんなものなのだろうか?

札幌オリンピック、まず思い浮かぶのが女子シングルのジャネット・リン。むろん、長光コーチもジャネット・リンや、女子シングルの上位選手の演技には魅了されたのだろうが、それよりも彼女を魅了したのが男子シングルの選手。ジョン・カリーやトーラー・クランストンなどといった選手の演技や練習を初めて観て、彼女はこう思ったのだそうだ。

「えっ?男子なのに踊っている!!!」

長光コーチがそれまで観てきた日本の男子シングルの選手、彼女の言葉を引用すると「手のひらを下に向け、氷と平行に滑るのが男子の理想的なスケート」とされていたのだそうだ。国内大会しか観たことがないのであるのならば、なおさらトーラー・クランストンやジョン・カリーの演技、スケーティングは驚き、一種のカルチャーショックでさえあったのではないだろうか?

彼らのスケートを初めて観て、驚き、そしてこう思ったのだそうだ。「踊りは何も女子だけのものではない。体力は男子選手の方がある。もし、男子選手が踊ったら?私はそのような男子選手を育てたい。コーチになりたい!」

トーラー・クランストンの演技。

「男子なのに踊っている!」

kaz




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何もない形が神すぎる 

 

昔、1980年代だったか、アメリカにロバート・ワーゲンホッファーという選手がいた。この人は、現役での輝かしい戦績を武器にプロでも活躍・・・というよりは、プロになってから人気が出た、珍しいタイプの選手だった。

現役時代も立派な成績ではあった。世界選手権に国の代表として出場しているわけだから。たしか、ワールドでは10位と6位になっていたと記憶している。彼の場合は、アマチュア時代の栄光ではなく、観客のニーズが高まり、アイスショーの常連になったという感じなのだ。つまり人を惹きつけてしまうスケーターだったように思う。

「何もない形が神すぎる!」

ジャンプで魅せる演技ではない。せいぜい2回転しか跳んでいないのだから。スピンも、それほど高速超絶スピンというわけでもない。ただし、姿勢が素晴らしい。スピンの姿勢から、立位(?)になる瞬間とか、次のエレメンツまでの、いわゆる「つなぎ」の部分、それも手先とか腕の使い方とか、何でもないところが実にセクシーなのだ。

すべてが溶け込んでいる・・・という感じ?

もし、彼がコーチや振付師になっていたら・・・などと想像する。でも彼はエイズで39歳という若さで突然亡くなってしまった。

ジャンプのないプログラムで魅せられる人って意外と少ないかもしれない。

kaz




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何もない形がジュニアすぎる 

 

フィギュアスケート、昔から惹きつけられる選手は、ジャンプなどの各エレメンツの熟練度に加え、「つなぎ」が上手だとされていた。今現在の競技会を、たまに観てもそれは感じる。変わっていない。
各々のエレメンツは、まあまあなのに、どうも観ていて退屈な演技というものはある。大きな失敗、転倒があるわけでもないし、高難度の4回転ジャンプも降りているのに、心のどこかで「早く次の選手の演技にならないかな・・・」と。

振付師がこの動画で指摘するように、惹きこまれない演技は「溶け込んでいない」ということがあるのだろう。「はい、ジャンプ、スピンをこなしました。次はつなぎです・・・」という分断された動きではなく、全てが溶け込んでいなければならない・・・

これはピアノ演奏にも当てはまることのように思う。聴き手は全体印象で判断するところがある。むろん、パフォーマンスって、その瞬間の技を観たり、聴いたりしているのだが、聴き手は分断して聴いたりはしない。「さあ、次のオクターブ連続は?」とか「跳躍はどうかしら?」という聴き方ではなく、一つ一つが溶け込んでいる演奏に惹かれたりするものだ。

演奏者の技量というよりは、演奏している時の心の中身、というか頭の中身が出てきてしまうのかもしれない。むろん、本番、舞台の上では「押さえどころ」みたいな箇所はある。失敗しやすい個所とか、難所とか。でも、あまりに自分中心主義で「練習の時は弾けたのだ」とか「練習の時と同じように弾けますように」みたいに、分断的発想で演奏してしまうと、ついつい「今、自分はどう弾けるか?」というところに意識が集中しがちだ。「次、苦手なんだよな・・・」「ああ、なんとか無事通過・・・」「今はつなぎの部分で~す」みたいな印象が聴き手に伝わってしまう。

溶け込んでいない・・・分断されてしまっている・・・

「何もない形がジュニア(レベル)すぎる!」この言葉、ズシンと響いてしまった。

kaz




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あなたは何者? 

 

この俳優は長い間気になっていた。ソビエトの俳優なのだと思う。テレビドラマなのだと思うが、主演の男優が、どこか哀愁を帯びていて、そして瞳がキレイなのだ。むろん、ロシア語など一切理解できないので、演技そのものが上手いのかどうかは判断できないのだが、どこか薄幸の青年という雰囲気が気になっていた。

ドラマそのものはユーチューブでも観られる。言葉が理解できないので、ことさらそう感じるのだと思うのだが、どこか唐突というか、統一性の感じられない、なんともソ連的な雰囲気満載のドラマ。どうも、スケートに関係あるストーリーらしいのだが、突然に歌を歌い始めたり、シリアスな恋愛場面に変換したりと、どこか忙しい。もちろんスケートを滑る場面もある。

主演男優がスケートを滑る場面がある。上手すぎるのだ。別人が滑っているのかと思ったが、どうも主演男優が滑っているように見える。

「あなたは何者?」

調べてみたら、やはり元スケート選手だった。ユーリ・オフチニコフという人で、札幌とインスブルックのオリンピックに出場している。でもソ連三番手の選手としての出場で、成績が上位だったわけでもないようだ。

おそらく、現役を引退後、その美貌(?)が注目され、ソ連の芸能界に進出したのでは?

やはりソ連という国は不思議な国だ。

kaz




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